
当店は二日市に店を構え、今年で51年目を迎えます。 創業100年を超える企業が日本に3万社以上あることを思えば、私たちはまだまだ若輩者です。しかしながら、今日まで事業を継続できたのは、西日本新聞という確かなブランドと、何より二日市という地域の皆様に支えられたおかげであると深く感謝しております。
さて本日のテーマ「新聞屋として地域との接点を持つ意味」を考えてみます。
私たちの業界では、理念として「地域密着」「地域の旗振り役」といった言葉がよく掲げられます。しかし、かつての当店の実態はそれとは程遠いものでした。店舗は目立たない場所にあり、窓はポスターで目隠しされ、地域の行事には協賛金を出すだけで参加はしない。「新聞屋さんは顔が見えない」とお客様から言われることもありましたが、当時はそれでも商売に支障はなく、ブランド力に頼って「配達するだけ」で経営が成り立っていたのです。
転機が訪れたのは、子どもが小学校に入学し、公民館へ足を運ぶ機会が増えた頃でした。 そこには、区長をはじめ地域の多くの方々がコミュニティ活動に尽力されている姿がありました。イベントの運営や清掃活動、夏祭りの開催など、快適な地域環境が当たり前ではなく、多くの方々の奉仕によって支えられている事実に初めて気付かされたのです。
なぜ、皆さんは無償で地域のために汗を流すのか。疑問に思い尋ねてみると、ある共通の思いに触れました。 「昔、親や祖父母が地域の世話をしていたから」「自分が子どもの頃の楽しい思い出を、次の世代にも残したいから」。 私たちが持っている幼少期の温かい思い出は、当時の大人たちが作ってくれたものでした。「ならば、このバトンを次に繋ぐのは自分の番だ」――そう決意し、PTAや地域コミュニティの役員、夏祭りの運営などに積極的に参加するようになりました。その結果、多くの仲間と出会い、困った時には助け合える、地域との強固な信頼関係を築くことができました。
この経験は、事業のあり方も大きく変えました。 地域社会との関わりを深める中で、これまで見えなかった地域の課題が見えるようになり、「それらを解決することこそが我々の存在意義である」という確信に至りました。 その拠点として、9年前に店舗を全面的に建て替えました。単なる配達拠点ではなく、地域との接点となる場として、現在はスマホ教室や各種イベント、子どもの居場所提供(寺子屋)、生活支援サービス「まごころサポート」などを展開しています。これらはすべて、地域への積極的な関わりから生まれた取り組みです。
地域との接点は、商売優先の下心があればすぐに見透かされます。重要なのは、利他的な行動を続け、信頼を積み重ねることです。私たちはまだ道半ばですが、「もっと地域のお役に立ち、もっと地域を良くする」という理念のもと、エリアセンターでありながら「コミュニティセンター」としての役割も果たせるよう、努力を続けてまいります。
来月には、コロナ禍で延期しておりました「50周年記念イベント」を盛大に開催する予定です。地域の皆様に楽しんでいただけるよう準備を進めておりますので、ぜひご期待ください。
また先日、学校運営協議会の活動の一環として、コロナ禍で学校生活に制限のあった卒業生たちへ、サプライズの演出を行いました(写真)。これからも地域のため、お客様のため、そして未来ある子どもたちのために、情熱を持って活動を続けてまいります。











